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授業の目的および概要
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Global Englishesと日本人英語の研究
急速にグローバル化する現代社会において国際通用語としての英語の有用性は増すばかりだが、それと共に英語の多様化も急速に進んでいます。世界各地で共通のコミュニケーションツールとして頻繁に使われるようになった英語は、土着の言語(その土地で元々話されている言語)と結びつき、新種の発音・語彙・文法を獲得し進化し続けています。また、英語を外国語として学ぶ話者同士が自前の発音や会話スタイルで英語をリンガ・フランカ(共通語)として活用するという状況もますます日常化しています。このような社会的背景の中で生成され進化し続けている英語変種(Varieties of English)を包括的にGlobal Englishesと呼びます。 本講義では、Global Englishesに関する入門書(洋書)を講読しながら、アジア圏を中心に世界の様々な場面で用いられている英語変種についての学術的知見を広め、民族間コミュニケーションの場面で「リンガ・フランカ」として機能する英語の社会的特性や諸問題について考察します。 学期の後半では、日本人が用いる英語の言語学的分析を行うプロジェクトを立ち上げ、クラス全体で取り組みます。学生は複数のグループ(1グループ3〜4名程度)に別れ、日本人英語学習者から言語データを収集し、語彙・音声・文法・語用(会話スタイル)などの諸領域から担当を決め、学期末の1〜2週にわたり、その分析成果を発表する機会を設けます。
◎本講義の受講には「英語学研究B」(英語音声学入門)を履修済み、または並行履修中であることが望ましいです。ただし、必須要件ではありません。
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授業方法
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1
講義
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1
演習
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1
実習
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1
実技
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専門書の講読、音声ソフト実習やエクササイズ、発音パフォーマンスを重視した「英語学研究B」とは異なり、学生(個人とグループ)発表や言語データの収集と分析を中心とした講義展開となります。 ・毎時間、テキストの指定箇所の概要発表(学生1〜2名で担当、日本語を使用)があります。 ・毎時間、世界各地で使われている様々な英語変種(Global Englishes)から興味を抱く変種を一つ選び、それを紹介する口頭発表(Global Englishes Showcase、通称GES)があります(学生1〜2名で担当、英語を使用)。GESでは、自分たちで文献を調査し、その概要をまとめ、パワーポイントを用いて英語で発表します。その際、その英語変種の実音声や動画などの具体的資料をふんだんに盛り込んだ発表を準備してください。 ・学期の最後の1〜2週間は、「日本人英語の研究」を統一テーマにグループ毎に担当した言語領域に関する言語学的分析を行い、パワーポイントを用いて発表してもらいます(日本語を使用)。
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アクティブラーニングの手法・内容
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1
グループワーク
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1
プレゼンテーション
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1
実習、フィールドワーク
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※ 「反転授業」とは知識習得の要素を授業外に済ませ、知識確認等の要素を教室で行う授業形態になります。
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到達目標
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様々な英語変種の言語学的特徴や生成の社会文化的背景を入念に調べ、民族間のリンガフランカとして多様化する英語の今日の実情を正しく理解すること。さらには、今後の自己の英語学習の進展、他者に英語教育を施す場面、職業的ニーズから英語を活用する場面などで、これらの専門的知識を適切に応用していける正しい見識を身に付けると共に、コミュニケーション・ツールとしての英語の運用能力を高めることも目標とします。
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授業計画
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01
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1.オリエンテーション、Global Englishesとはなにか
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02
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2.英語の世界的拡散の歴史と現状、英語の地域的多様性、Global Englishes Showcase 1
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03
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3.Global Englishesのタイポロジー(Inner Circle, Outer Circle, Expanding Circle)、Global Englishes Showcase 2
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04
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4.Global Englishesの多様性、Global Englishes Showcase 3
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05
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5.リンガ・フランカとしての英語の功罪、Global Englishes Showcase 4
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06
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6.英語帝国主義論、Global Englishes Showcase 5
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07
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7.東アジアの英語、Global Englishes Showcase 6
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08
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8.日本人の英語(概説)、研究グループ分け、Global Englishes Showcase 7
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09
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9.日本人英語の分析: 語彙・音声
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010
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10.日本人英語の分析:文法・語用
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011
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11.日本人英語の分析: データ収集のためのフィールドワーク1、文献調査
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012
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12. 日本人英語の分析: データ収集のためのフィールドワーク2、文献調査
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013
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13.日本人英語の分析: 分析成果のまとめと発表準備
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014
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14.日本人の英語: 研究成果発表会1
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015
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15.日本人の英語: 研究成果発表会2
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成績評価方法
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講義参加意欲(出欠席状況)(20%)、学生発表(テキスト発表とGES)(40%)、学期末の研究成果発表(40%)で評価する。
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課題に対するフィードバック
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講義内で適宜解説を行い、必要なフィードバックを与える。
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事前・事後学習・必要時間(講義1回あたり)
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各授業回につき、2時間の事前学習、2時間の事後学習を必要とします。 ・毎時間、講読テキストの学生発表1〜2名、Global Englishes Showcase発表1〜2名があります。テキスト発表にあたっていない学生は指定箇所を読んで講義に出席してください。 ・学生発表(テキスト発表、GES発表)用の資料は、毎回、期日までにMoodleにアップロードされることになるので、発表にあたっていない学生は予めそのファイルに目を通して講義に出席してください。
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事前学習
2
時間
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事後学習
2
時間
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教科書・参考書
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教科書: プリント教材を使用。 参考文献: ① Galloway, N., & Rose, H. (2015). Introducing Global Englishes. Routledge. ② Jenkins, J. (2015). Global Englishes: A Resource Book for Students. 3rd Edition. Routledge. ③ Hughes, A., Trudgill, P., & Watt, D. (2012). English Accents and Dialects. 5th Edition. Routledge. ④ Wolfram, W., & Ward, B. (2006). American Voices: How Dialects Differ from Coast to Coast. Blackwell. ⑤ Trudgill, P., & Hannah, J. (2002). International English: A Guide to Varieties of Standard English. 4th Edition. Arnold. ⑥ Foulkes, P., & Docherty, G. (eds.) (1999). Urban Voices: Accent Studies in the British Isles. Oxford University Press. ⑦ 図書館の検索システムで入手できる世界英語に関する洋雑誌: English Today, World Englishes, English World-wide.
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注意事項
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・初回の講義では、学生発表の担当箇所や発表順番を決めるので欠席しないでください。 ・本講義で使用する学生発表のパワーポイントや私からの補足講義資料、動画や音声はMoodleを媒介して共有するので、予めネット環境の整備をお願いします。 ・学生発表(テキスト発表、GES発表)の担当者は、こちらが指定する日時までにMoodleに発表用ファイルをアップロードしてください。また、発表用ファイルは発表者各自がクラス履修者分のコピーを持参し、配布してください。 ・学生発表における質疑では積極的に発言し、講義の全般的な質の向上への貢献を期待します。 ・本講義の履修者は「英語学研究B」を履修済みであるか、並行履修中であることが望ましいです。必須要件ではありませんが、なるべくセットで履修してください。 ・言語学系の各種概論を履修済みであることが望ましいです。
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参照リンク
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DPとの関連・ナンバリング
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